ダブルクォーテーション
京都市南区の東寺(教王護国寺)は今秋から、国宝「五重塔」のライトアップをLED(発光ダイオード)照明に切り替えるのに際し地元企業に二酸化炭素(CO2)排出分を引き取ってもらい、京都市の「カーボンオフセット」制度を利用した省エネ活動を始める。市によると、社寺と企業が連携してこうした制度を利用するのは、全国でも珍しいという。
カーボンオフセットは、地域の自治会などが省エネで削減したCO2を、行政を通じてCO2排出事業者に購入してもらう制度。京都市は2011年度から導入している。
年間約100万人の拝観者がある東寺は、毎日午後6時半ごろから10時まで、野球場のナイター照明に使われる高圧ナトリウム灯などで五重塔をライトアップしているが、照明の消費電力を半減できるLEDへの切り替えに伴い同制度を利用することにした。
LED導入後のCO2排出分を、寺の取り組みに賛同する錠剤金型メーカー「ツー・ナイン・ジャパン」(南区、二九規長社長)に引き取ってもらい、市内の自治会などの削減分と1トン当たり1万円で相殺する。
計画にはフランス・ルーヴル美術館のLED照明を手掛ける東芝(東京都)が協力。昨年7月から試験照明を続け、金色に輝く色合いのLED投光器を製造し、11月下旬ごろに点灯を始める予定。
同寺の砂原秀輝総務部長は「京都の街のシンボルが環境に配慮したLEDで照らされ、排出されるCO2もオフセットできる一石二鳥の取り組み」と話している。
京都新聞より