日本テキサス・インスツルメンツは,シリアル制御,16チャネル内蔵,4チャネルごとのグループ遅延機能を備えた,定電流シンクLED(発光ダイオード) ドライバIC,『TLC59282』を発表した。この新製品は,ビデオ・ディスプレイ,メッセージボード,アミューズメント向けイルミネーションおよび LEDインディケータなどをはじめとしたLEDディスプレイ・アプリケーション製品の設計簡素化に役立つ。
『TLC59282』は各LED 出力スイッチのタイミングを分散化することで,スイッチング電流のピーク過渡波形を低減し,同時に発生するスイッチング雑音を低減できることから,低価格の両面PCB(プリント基板)を使ったパターン設計を行いやすくなる。従来のマルチチャネルLED ドライバ製品では,出力のブランキング期間中に,スイッチング過渡波形の影響でシリアル通信経路のデータが不正になりやすく,これを防ぐために4 層PCBの使用が必要だった。『TLC59282』はこのような電磁干渉を低減できるほか,チャネル間およびチップ間で高精度の出力電流を提供することから,各LED ストリングへの均一な出力電流を実現できる。
『TLC59282』の主な特長と利点
・広い入力電圧範囲: 3.0V~5.5V
・LED チャネル電圧: 17V (max)
・同時スイッチング雑音を最小にする,4 チャネルごとのグループ遅延機能
・複数デバイスのカスケード接続が可能なシリアル通信機能を搭載していることから,ディスプレイ・コントローラは1 本のシリアル・バスで複数のLED ドライバを制御可能
・LED 出力電流が精密に一致していることからLED ストリング間で均一な輝度を実現
チャネル間の電流精度: ±0.6%(typ)
� チップ間の電流精度: ±1%(typ)
・30ns のブランク・パルスによって,マルチプレックス点灯のアプリケーションにおいて,高いリフレッシュレートを使用可能
『 TLC59282』はSSOP パッケージで量産出荷中。1,000 個受注時の単価(参考価格)は,0.47ドル。『TLC59282』の評価モジュールも供給できる。