マキシム・インテグレーテッド・プロダクツは,電子トランスおよびカットアングル調光器によるフリッカーのない調光を可能にする独自のアーキテクチャを採用したLEDドライバ「MAX16840」を発表した。同社の特許出願中の方式によって,既存の電気的インフラを変更することなくハロゲンMR16ランプを置換することができるレトロフィットLEDランプの設計が可能になる。これによって,実用化に対する大きな障害が取り除かれ,エンドユーザーは非常に低い導入コストでLED照明のすべてのメリットを享受することができる。
導入を促進するために,LEDレトロフィットランプは電子トランスおよびカットアングル調光器との互換性を備える必要がある。これらのトランスおよび調光器は,完全に従来のハロゲンランプの抵抗性負荷用に設計されている。
しかし,LEDドライバは非常に非線形性であり,純粋な抵抗性負荷ではない。その結果,LEDランプを既存の電気的インフラで使用した場合,フリッカーが発生し,調光ができず,場合によってはまったく点灯しないこともある。
「MAX16840」は,特許出願中のユニークな方式を使用し,ランプの入力電流を制御することによってこれらの問題を解決している。入力電流の動的な整形によって,ほとんどの電子トランスおよび調光器でフリッカーのない動作が保証される。これによって,LEDランプの設計者はハロゲンMR16に対して置き換え製品を作成できるようになり,競合ソリューションで必要とされる高コストのインフラ更新が不要になる。
さらに,「MAX16840」は電解コンデンサを使用しない設計が可能。ドライバ回路中で最初に故障する部品は通常は電解コンデンサであるため,それが不要になることによってLEDランプの寿命が大幅に延びる。
電解コンデンサを必要としない動作のため,ドライバのコストとサイズが縮小し,小型のMR16フォームファクタへの適合が可能になる。内蔵のスイッチングMOSFETによって,これらの省スペース性がさらに強化されるとともに,部品点数とコストが削減される。
「MAX16840」は最大20Wの電力を供給可能。-40℃~+125℃の温度範囲で完全な動作が保証されており,放熱特性を高めた3mm×3mm,10ピンTDFNパッケージで提供される。参考価格は$2.01 (1000個以上,FOB USA)。