市光工業株式会社
世界最高の省電力性能を実現したLEDヘッドランプを「日産リーフ」全車へ標準搭載
~LEDを2つに削減し、従来比1/2の消費電力と2倍の寿命、低コスト化を実現~
大手自動車部品メーカーの市光工業株式会社(本社:神奈川県伊勢原市板戸、代表取締役社長:ORDOOBADI Ali、以下 市光工業)では、世界最高の省電力性能を実現した自動車用LEDヘッドランプを開発し、電気自動車(EV)「日産リーフ」全車へ標準搭載されました。
市光工業が開発、製造し、「日産リーフ」への供給を開始した超低消費電力ヘッドランプは、白色発光ダイオード(LED)を使用頻度の高い下向き前照灯(ロービーム)の光源に採用した自動車用照明です。同社は、高出力LEDや高効率な光学設計、精密な熱解析シミュレーション等により、従来と同等の明るさを確保するには最低3つ必要とされていたLEDを2つに削減し、必要十分な視認性を実現した上で、消費電力23Wワット※1の世界一の省電力性能を達成しました。ロービーム点灯時の消費電力を、ハロゲンランプ※2の約4割、HIDランプ※3の約1/2に抑え、自動車の燃費向上に貢献します。ヘッドランプのLED化は、電気自動車やハイブリッド車の航続距離を伸ばし、ガソリン車では走行距離あたりのCO2排出量を1g/km※4削減することを可能とします。
また、同ヘッドランプは、LED光源の採用により、HIDの2倍の長寿命と、見やすく疲れにくい昼光に近い発光色、瞬時の点灯を実現しました。さらに市光工業では、2枚の反射板を組み合わせて光を制御する反射型(リフレクター式)光学ユニットを独自に開発しました。指向性の高いLED光源に最適化した同光学ユニットは、これまでLEDヘッドランプに必ず組み込まれていた凸レンズが不要となり、光の利用効率が高く、軽量化と薄型化、自由度の高いデザイン性、部品点数の削減による低コスト化が図られています。「日産リーフ」では、ヘッドランプの形状を最適化することで、気流を分散してドアミラーを避け、風切り音と空気抵抗を低減する効果に貢献しています。
LED光源は、家電市場等と同様に、省エネで環境に配慮した自動車用照明としても、電気自動車やハイブリッド車、低燃費小型車の普及とともに、需要が拡大していくと見込まれています。市光工業では、同社伊勢原製造所(神奈川県伊勢原市)に、年間50万個の生産能力を有するLEDヘッドランプユニットの専用製造ラインを新設し、同製品の量産を開始しました。同社では今後も、ハイビーム(上向き前照灯)とロービームのLED光源を一体化したユニットの製品化や、使用するLEDを1つに絞り込んだヘッドランプの開発を進め、自動車用ランプの“LED化”を促進していきます。
なお、「日産リーフ」に搭載される超低消費電力LEDヘッドランプの概要は別記の通りです。
※1 ランプ1個(車1台に左右計2個搭載されるランプの片方)あたりのロービームの消費電力(市光工業調べ)
※2 安価で最も普及している、白熱電球と発光原理が同じランプ(消費電力55W)
※3 ハロゲンランプに比べ長寿命、高効率で明るい、蛍光灯と発光原理が同じランプ(消費電力45W)
※4 ハロゲンランプからLEDランプに切り替えた場合の消費電力量から計算(市光工業調べ)
(参考)
市光工業株式会社は、1903年に創業した、自動車用ランプ、ミラー、その他自動車 部品の開発、設計、製造、販売を行う専門メーカーです。1932年には初代ダットサンにヘッドランプを装着し、日本初のプロジェクターヘッドランプや世界初の電動格納式ドアミラーを製品化、現在も次世代の超低消費電力LEDヘッドランプなど独自の製品 開発を行っており、トヨタや日産をはじめとする国内全ての自動車メーカー及び海外 メーカー、アフターマーケット向けに製品を供給しています。市光グループは、国内にテクニカルセンターを含め10ヵ所の拠点、中国やマレーシア等アジアを中心に6つの海外拠点を有しており、総従業員数は4,704名(2010年9月末現在)です。国内において、自動車用ランプで約19%、ミラーで約15%の市場シェアを誇っています。