ダブルクォーテーション
世界最高レベルの出力とエネルギー効率で紫外線を出す半導体光源を、京都大工学研究科の川上養一教授と船戸充准教授、ウシオ電機のグループが開発した。殺菌やコーティング用の機器の高性能化につながるという。英科学誌「ネイチャーフォトニクス」で27日発表する。
紫外線は殺菌や塗料の乾燥、基盤の洗浄などさまざまな用途に使われている。光源はフッ素ガスを詰めたランプが主だが、寿命が千時間程度と短いのが課題だった。一方、半導体光源は寿命が数万時間以上で本体も小さいが、出力やエネルギー効率が低かった。
川上教授たちは、従来の半導体に電圧をかける発光ダイオード(LED)ではなく、半導体に電子線を当てて紫外線を出す手法を用いた。
窒化アルミニウムと窒化ガリウムアルミニウムを1~15ナノメートル(ナノは10億分の1)間隔で交互に8回積み重ねた半導体に電子線を当てた。波長が短くエネルギーが高い「深紫外線」が最大で100ミリワットの出力で発光、エネルギー効率は約40%に上った。従来のLEDより出力で10倍、効率で20倍上回る性能を実現した。
川上教授たちは「ランプよりもエネルギー効率が良くなり、省エネにもつながる。1~2年をめどに製品化したい」としている。
京都新聞より