ダブルクォーテーション
プラスチック成型の宮城化成(宮城県栗原市)は13日、産業技術総合研究所(産総研)のコンパクト化学システム研究センター(仙台市)と共同で、新たな板材を開発したと発表した。産総研が開発していた「クレースト」と呼ばれる粘土を使い、高い不燃性と透明性を実現。鉄道や自動車、太陽電池など幅広い分野での利用が期待できるという。
板材は、宮城化成が生産、成型加工するガラス繊維強化プラスチックの表面を、不燃性を持つ「クレースト」が主成分の透明な膜材料で覆った。
強度や軽量性などで優れるものの、燃えやすい強化プラスチックの弱点を克服。700度の炎を20分間当てた燃焼試験でも着火しないことが確認された。化合物を加えて燃えにくくする従来手法のように、透明性が落ちたり、有害ガスを発生したりすることもないという。
ガラス繊維、粘土、プラスチックで構成されるため、光の屈折が複雑になって拡散性が高まり、点光源の発光ダイオード(LED)の照明カバーなどへの利用が有望視されている。
宮城化成は、効率的な成型方法や市場ニーズを検討し、本年度内の製品化を目指す方針で、「透明性や不燃性をさらに高め、製品の柱に育てていきたい」と説明している。
河北新報より