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第43回:パナソニック LED照明器具の新製品 記者会見
パナソニック エコソリューションズ社は11月、光のスペクトルを制御して見え方をコントロールするスペクティング技術を搭載したLED照明器具の新製品について、記者会見を開催しました。“新たな光の価値を創出”、“幅広い品揃えを実現”をキーワードに、LED事業を展開していく方針を示し、様々な用途向け照明市場において、一層のLED化を推進していく考えとのことです。

パナソニック LED照明器具の新製品 記者会見

照明器具のLED化は急速に進んでおり、2012年には照明全体の半数を超えようとしています。その中で、パナソニックでは、1台の器具本体で4種類の明るさに対応する「一体型LEDベースライトi Dシリーズ」や、2012年7月1日より、電気用品安全法の対象品にLED電灯器具が追加されたことに合わせ、L形口金システム「GX16t-5」を採用した直管形LEDランプ搭載ベースライトを発表するなど、新たなニーズに対応した新製品を展開しています。また一方で、76年にわたって累計33億個出荷した一般家庭用白熱電球(26口金タイプ)の生産を10月末で終了させました。

こうした中、LED製品にはこれまでにない新たな価値を持った製品がより強く求められています。その代表的な製品が同社のクリア電球タイプです。同製品は白熱電球のフィラメントを模したデザインを採用、形状を白熱電球に似せることで同じような光を実現しています。これが高く評価され、2011年度の日本のグッドデザイン賞で金賞受賞をはじめ、日米欧の5つのデザイン賞を受賞しました。

「美光色LED照明器具」のデモ、肌がきれいに見えるだけでなく、赤色も鮮やかに見える
そして今回、このような新たな価値を創出する新技術として、これまで培った照明ソフト技術とLED設計技術を融合させ、光のスペクトルを制御して見え方をコントロールする「スペクティング技術」を発表しました。同技術の採用製品には、EVERLEDS「美光色LED照明器具」があります。“女性の肌の色が美しく見える”、“展示物の色が自然に見える”など、光で人や物を演出できるのが特徴で、2012年4月の発売以来、百貨店の化粧品売り場、エステサロン、美容室、パウダールームなどで多く採用されています。肌のくすみが目立つ原因となる570~580nmの黄色成分の波長を調整することで、肌の色が美しく見える光を実現、パナソニック独自規格の「日本人女性がイメージするきれいな肌の色」の数値PSで95を達成しています。
PSは値が高いほど理想の肌の色に近いことを表しています。また、同時にRa95と演色性も高く、太陽光の下で見える色と近いレベルで色を再現しています。さらに、発光部を1つにまとめた集積型LEDを採用しており、従来のLED照明のように影が何重にも発生することがなく、ムラを抑えた均一な光を実現しています。

この「美光色LED照明器具」のラインナップを拡充させ、低色温度(温白色・電球色)タイプ、高出力(350形・550形)タイプ、調光タイプなど合計100品番を、2012年11月1日より発売しました。従来の白熱灯(ハロゲン)が使用されていた飲食店や物販店から、ホテルのロビーや百貨店のエントランスなどの高天井空間まで、商業施設空間全般に対応できる製品と合わせ、合計134品番を揃えています。

また、記者会見と同時に発表された生鮮食料品向け照明「彩光色LED照明器具」でも、波長580nm前後の光の成分を調整し、赤色成分のピーク波長を長波長側にシフトさせることで、食品の見た目の鮮度に影響する黄みを抑え、肉やマグロなど赤みの強い色でも鮮やかに見せるできます。また、一般に使用されている3波長形蛍光灯と同等のRa84を確保。1種類の光で、精肉、鮮魚、青果、惣菜、パン、生花などの商材に対応します。フィルターレスで、従来の照明器具より約20%明るさを向上させた他、消費電力を約40%削減しています。光源寿命は、HID光源と比較して3.3倍の4万時間。賑わい感を演出する透過セードタイプなど10品番をラインナップしています。12月1日より発売です。

「彩光色LED照明器具」のデモ展示。1種類の照明で様々な生鮮食料品をきれいに演出する。
「彩光色LED照明器具」デモの拡大写真1。パンなども照らすと光って見える。
「彩光色LED照明器具」デモの拡大写真2。野菜や果物も輝き、新鮮に見える。


[上原清志,LEDLED]

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