やさしいあかり グリーン照明 LED
第19回:CEATEC JAPAN 2011 レポート
アジア最大級のエレクトロニクスとITの展示会「CEATEC JAPAN 2011」が10月4日~8日の5日間、幕張メッセで開催されました。今回もLED関連製品が多く展示され、注目を集めましたが、中でもLED周辺に搭載されるドライバICなどデバイス関連の新製品が多く登場したように見受けられました。今回も引き続き、CEATECをレポートします。
セラミック技術を核にLED関連にも
京セラはLED向け部材を展示しました。セラミックパッケージは単板と多層同時焼結の製品などを展示。アルミナ多層基板「A473」は、熱伝導率が18W/mK、厚銅メッキにより低熱抵抗化を実現。成膜はチタン(薄膜)、銅(薄膜)、銅(電解めっき)、ニッケル(電解めっき)、金(電解めっき)もしくは、銅(厚膜)、フォトリソ、Cu(電解めっき)、ニッケル(電解めっき)、金(電解めっき)で行われ、ニッケルと金が銅の側面を保護して酸化などを防止していると思われます。AlN基板は車載用パッケージで培った技術を応用し170W/mKを実現。ブースにはパナソニックライティングやTOWAのLED製品に使われている実装基板のサンプルも展示されていました。この他、2~6インチのLED用単結晶サファイア基板を出展しました。現在、LED製造における主流基板サイズは4インチであり、2インチは生産量を減少しています。6インチは米国のPhilips Lumileds Lightingが本格量産にシフトしつつある他、一部の国内メーカーでも一部量産を開始していますが、本格的な拡大はまだこれからのようです。製造法は、主力だったEFG(Edge-defined Film-fed Growth)法をはじめ、サイズや品質、コストなどに応じて様々な製法で行う模様。現在、国内3工場で結晶成長から研磨まで一貫生産で手掛けているとのことです。
LED関連製品を幅広くラインナップ
ロームはデバイスから電球/蛍光管製品、シーリングライトなどの照明製品まで幅広いラインアップを展示しました。高輝度フルカラーLEDは独自のパッケージ構造で高い混色性を実現、あざやかタイプ、サイドビュータイプなど豊富な製品ラインナップを取り揃えています。フラットフレーム構造による低背パッケージは高さ0.6mmで、アプリケーションの薄型化に寄与します。対象物との距離が開くことによって、発光状態を均一にかつ混色性が改善し、外装パネル越しにLEDが透けて見えるのを防ぎます。家庭用LED照明では、グループ企業の丸善電機がアグレッドに社名変更したのを機に製品ラインナップを大幅に拡充しました。今回、ペンダントライトやセパレートシーリングなど41機種を取り揃えました。10月より発売し、初年度年間20万台の販売を目指すとのことです。今回の「AGLED」シリーズは、2665パターンの調光調色機能に加え、人間の生活リズムであるサーカディアンリズム機能を搭載、日中は白色~昼白色、夜は落ちついた電球色とサーカディアンリズムに沿った最適な光が24時間自動で選択されます。
開発中の製品では、LED照明用LSIを紹介しました。LED電流平均制御により、入出力電圧の変化に対し、一定の制御が可能。Trisc/PWM/Linearの調光方法に対応しており、様々な調光アプリへの提案できます。また、2次側FB回路なしで、部品点数の削減が図れます。この他、カスタマイズ品では、オーダーカラーLEDも紹介しました。独自の蛍光体技術により、従来以上に細かな色調幅にて色味の要望に応えられるため、パステルカラーなどにも対応可能とのことです。さらに、波長のランク対応ができる他、用途に合わせて各種サイズ、形状が選択できるようパッケージもラインナップしています。
両面発光のアイデア商品
ユアーズ・トレードは「エ・リアル」のブランド名でLED照明を展開しています。同社は360度発光する蛍光管タイプのLED照明を展示しました。LEDを蛍光管の筐体内に両面実装し、さらに口金部分を90度回転する機構にすることで、発光面積を拡大することができます。また、内部電源から外部電源にしたことで、メンテナンス性も向上させました。ユアーズ・トレードでは、同製品を両面看板の内部照明向けに販売するそうです。[上原清志,LEDLED]