やさしいあかり グリーン照明 LED
第15回:Photonics Festival in Taiwan 2011 レポート
台湾のLED産業は、先行するメーカーと追い上げるメーカーに挟まれる状況にあります。これに対抗するため、多くの企業が低価格戦略から中国製品より信頼性が高く、より付加価値の高い製品を製造する方向にシフトして競争力を高めようと取り組んでいます。また、日本や韓国、欧米メーカーとの高輝度品の競争があり、これも肩を並べられる製品も多く見受けられました。今回も台湾最大の都市・台北で開催された展示会「Photonics Festival in Taiwan 2011」の模様をレポートします。
展示会の主催団体であるPIDA(Photonics Industry & Technology Development Association)は、LEDの用途別シェアとLED生産量の国別シェアを発表しました。用途別では、投光照明向けやイルミネーションなどの景観照明向けが大きなシェアを占めていましたが、今後は道路向け、建設用、店舗や商業施設、住宅向けなどが多くなってくると予想しています。
生産量の国別シェアでは、2009年は首位が日本で33%、2位が台湾で21%、3位が欧州と韓国で14%、4位が米国で11%、5位が中国で7%でした。2010年は、首位が日本で30%、2位が台湾と韓国で20%、3位がEUで14%、4位が米国で10%、5位が中国で6%という結果になりました。日本は圧倒的な生産量で首位をキープしていますが、シェアを下げる傾向です。一方、韓国の著しい成長が見られます。
ドイツOSRAM Opto Semiconductorsは、街灯用モジュールや園芸用照明、高演色照明用モジュールなどを展示しました。街灯用照明の「SSL 150 LED」は3mm角の高密度アレイを用い、暖色系利用する場合は最大0.8A、寒色系では最大1Aで駆動できます。「Brilliant Mix Concept」は、色温度を2700~4000Kと白色からアンバーまでブロードに変化させることができます。ブースでは、光源を色見本で囲い、タッチセンサで色温度を変化させながら、色の見え方を確認できる展示を行いました。
台湾Epistarは、暖色系の白色LEDの演色性を改善したLEDを紹介しました。従来のLEDは青色LEDに蛍光体を組み合わせて白色を実現しましたが、新製品は素子に青色に加え赤色を入れ込みました。これにより、赤色のピーク波長ができるため、演色性がCRI 90まで高められるそうです。また、今後のロードマップでは、白色LEDの発光効率を現状の120 lm/Wから、2012年には130~140 lm/W、2013年には150 lm/Wと向上させていく方針を示しました。
日亜化学は、街灯や一般照明向けLEDチップなどを出展しました。台湾の照明向けLED市場では米国のCREEがシェアNo.1で、これを日亜が追いかける格好となっています。日亜化学では、昨年に設備投資を行い、生産能力を増強しました。これにより、今年はシェアを逆転できると予想しています。製品のうち、一般家庭、電球、街灯、工場用照明向けの「183A」シリーズは、様々な出力、カラーレンダリング、色温度のLEDを提供でき、アプリケーション別に最適化できます。開発中の「283」シリーズは、多様なカラーレンダリングと色温度に加え、厳密なカラービニングにより、さらに理想に近い光が得られるとのことです。「119A/219A」シリーズは、点光源タイプでおもにスポットライトや街灯用途に適しており、130/140 lm Wを達成しています。
米CREEは、LCDバックライトや一般照明向けLEDに関する技術展示を行いました。同方式は、従来のLED構造とは異なり、LED発光層を成膜したサファイヤやSiCなどの基板を他の基板に固定して剥がし、裏面側から光を取り出します。こうすることで、ワイヤボンディングが不要となり、フリップチップ構造が採用できます。フィリップチップ構造では、基板をワンダーフィルで固定しますが、CREEの方式では材料使用量を減らすことも可能で、さらに熱抵抗も減らせるとのことです。これにより、長寿命化が実現できるのに加え、発光効率の向上やコスト削減を実現できます。
ドイツOSRAM Opto Semiconductorsは、街灯用モジュールや園芸用照明、高演色照明用モジュールなどを展示しました。街灯用照明の「SSL 150 LED」は3mm角の高密度アレイを用い、暖色系利用する場合は最大0.8A、寒色系では最大1Aで駆動できます。「Brilliant Mix Concept」は、色温度を2700~4000Kと白色からアンバーまでブロードに変化させることができます。ブースでは、光源を色見本で囲い、タッチセンサで色温度を変化させながら、色の見え方を確認できる展示を行いました。
台湾Epistarは、暖色系の白色LEDの演色性を改善したLEDを紹介しました。従来のLEDは青色LEDに蛍光体を組み合わせて白色を実現しましたが、新製品は素子に青色に加え赤色を入れ込みました。これにより、赤色のピーク波長ができるため、演色性がCRI 90まで高められるそうです。また、今後のロードマップでは、白色LEDの発光効率を現状の120 lm/Wから、2012年には130~140 lm/W、2013年には150 lm/Wと向上させていく方針を示しました。
日亜化学は、街灯や一般照明向けLEDチップなどを出展しました。台湾の照明向けLED市場では米国のCREEがシェアNo.1で、これを日亜が追いかける格好となっています。日亜化学では、昨年に設備投資を行い、生産能力を増強しました。これにより、今年はシェアを逆転できると予想しています。製品のうち、一般家庭、電球、街灯、工場用照明向けの「183A」シリーズは、様々な出力、カラーレンダリング、色温度のLEDを提供でき、アプリケーション別に最適化できます。開発中の「283」シリーズは、多様なカラーレンダリングと色温度に加え、厳密なカラービニングにより、さらに理想に近い光が得られるとのことです。「119A/219A」シリーズは、点光源タイプでおもにスポットライトや街灯用途に適しており、130/140 lm Wを達成しています。
米CREEは、LCDバックライトや一般照明向けLEDに関する技術展示を行いました。同方式は、従来のLED構造とは異なり、LED発光層を成膜したサファイヤやSiCなどの基板を他の基板に固定して剥がし、裏面側から光を取り出します。こうすることで、ワイヤボンディングが不要となり、フリップチップ構造が採用できます。フィリップチップ構造では、基板をワンダーフィルで固定しますが、CREEの方式では材料使用量を減らすことも可能で、さらに熱抵抗も減らせるとのことです。これにより、長寿命化が実現できるのに加え、発光効率の向上やコスト削減を実現できます。
[上原清志,LEDLED]