LEDコラム第12回:ライティング・フェア2011 レポート - LEDのポータルサイト - LEDLED

やさしいあかり グリーン照明 LED

第12回:ライティング・フェア2011 レポート
LEDなど次世代光源の普及とともに、照明の測定方法も進歩しています。従来から算出方法をLED照明にそのまま適用しても、「数値は良いけど、見た目が暗い」、「数値と明るさや目立つことが両立していない」といった問題が多く発生いるようです。今回のライティング・フェアでは、照明の基礎となる測定方法についても多く提案されました。

ライティング・フェア2011 レポート

照明用測定技術も着々と進歩

パナソニック電工は、空間明るさ感評価指標「Feu」を展示ブースで紹介
パナソニック電工は、空間明るさ感評価指標「Feu」を展示ブースで紹介しました。これまでの床面照度や机上面照度の計測では、光が当たっている部分のみに照度計を当てて計測するため、空間全体の明るさ感を適切に表現できていませんでした。例えば、写真のように同じ大きさ、同じ内装の2つの空間に照明を当てて比較してみます。すると、明るいと感じるのは右ですが、照度が示す値は左が415lx、右が290lxと左の方が高くなっています。写真からは、明るいと感じる右は壁面に重点的に照明が当てられており、暗く感じる左は床面に当てられているのが確認できます。これをFeuで測定すると、空間の明るさ感が考慮されているため、左が9.5、右は12.5と見た目の通りに明るい適切なデータが得られます。同測定方法を利用することによって、床面照度や机上面輝度を落としても、十分な輝度が得られる照明環境が構築でき、さらに省エネルギーに繋がるとアピールしていました。同測定方法は、立命館大学教授の篠田博之氏の研究室で開発された「色モード境界輝度法」が応用されました。


一方、産業向け照明では、特殊な環境下において、どのような照明を選択・設置したら良いのかを分析するために、各メーカー独自の輝度測定方法を開発してきました。LEDに光源が変わることにより、産業用測定技術も変化しているようです。

岩崎電気は、光評価システム「QUAPIX」を紹介
岩崎電気は、光評価システム「QUAPIX」を紹介しました。自社の道路・トンネル向け屋外照明を設置するために、独自の画像処理技術を開発。最近は、他メーカーからも同技術への引き合いが活発で、外販も行っているそうです。QUAPIXは、PCと専用のカメラで撮影した写真をもとに、輝度分布画像を測定するもので、「コントラストプロファイル」という画像処理を行い、人間の感覚量(クオリア:明るさ・目立ち・視認性)をイメージ化して出力できる技術です。明るさ画像では、人が感じる明るさの度合い。目立ち画像では、場所による明暗の検出。視認性では、若年者と高齢者の見え方をシミュレーションすることができます。キャノンの一眼レフカメラ「EOS Kiss X4」に対応し、0.01~30000cd/m2と低輝度から高輝度まで測定可能となっています。また、多彩な解析保持機能を有しており、xy色度座標に当てはめた色情報の表示や、トンネルの野外輝度測定に使われるN'視野内の平均輝度算出、路面表示解析向け台形マスク表示にも対応します。


小糸製作所も画像式輝度分布測定装置を紹介しました。専用カメラで撮影した画像から簡単に輝度分布を測定。従来のスポット輝度計では不可能だった広い視野範囲で輝度分布が測定できます。機能面では、輝度レベルに応じて色分け表示ができる疑似カラー表示が可能で、結果をJPEGで保存することもできます。輝度測定では、任意の位置、大きさ、影のマスク内の平均輝度を測定できます。連続輝度測定では、任意の位置、大きさ、影のマスク内の平均輝度の測定が可能です。同技術の最大の特徴は、動画で撮影できることです。道路やトンネルなど道路を歩行者や自転車、自動車などが、歩いたり走行する流れを踏まえながらの輝度測定が実現します。測定輝度範囲は0.2~1000cd/m2。解像度は130万画素。
小糸製作所も画像式輝度分布測定装置を紹介
小糸製作所も画像式輝度分布測定装置を紹介


[上原清志,LEDLED]

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