LEDコラム第9回：次世代照明 技術展（ライティング・ジャパン） - LEDのポータルサイト - LEDLED

封止材料

LED市場が拡大する中、性能向上と価格下落が急速に進行しています。これに対し、LEDメーカーはさらなる品質向上とコストダウンを図るため、製造技術と部品材料の革新を求めています。今回のライティングジャパンでも多くの新提案が見受けられました。

LEDチップをパッケージ化する透明封止材は、これまでエポキシ樹脂が使われてきました。しかし、LEDの高出力化するにつれ、熱や光に対するさらに高い耐久性が求められています。エポキシ樹脂は硬く、応力をかけるヒートサイクル試験では、剥離やクラックが発生したり、黄変・着色してしまうといった課題がありました。そのような中新たな材料として注目されているのがシリコーンです。シリコーンは熱に強く、黄変もないため、すでに高出力LEDでは採用する製品が増えています。しかし、全く問題が無いわけではありません。シリコーンの弱点は、耐湿性とガスバリア性で、水蒸気透過率は100?300g/m2/day、酸素透過率は2000?3万cc/m2/dayと高い点にあります。今回の展示会では、各社の展示ブースでは様々な新規材料の展示が行われていました。
KISCOは、次世代材料として新規脂環式樹脂/ハイブリッド樹脂による封止材料を展示。応力試験では、ー40℃×30分→100℃×30分×1000サイクルの試験をクリアした他、水蒸気透過率を0.5g/m2/day、酸素透過率を2?3g/m2/dayを実現しました。
ダイセル化学工業は「CELVENUS T」シリーズを展示しました。同製品は、耐光性、耐熱性に優れた二液型透明封止材で、シリコーンより耐熱性に優れています。課題はバリア性で、「今後はエポキシ並みに確保していく必要がある」（説明員）と述べていました。

新プロセス

ソニーケミカル＆インフォメーションデバイスは、異方性導電接着剤「LEP」を用いたLEDのフリップチップ実装プロセスを紹介しました。従来の材料では、熱や光によって変色してしまいましたが，耐熱性や耐光変色性を高めた樹脂を独自に開発。均一分散させた導電粒子により、熱圧着すると導通する仕組みになっています。これにより、パッケージ基板にLEDチップを実装する工程が簡便かつ高密度に実装できるそうです。従来からのワイヤーボンディング実装と比較すると、5mm角に0.35mm角のLEDをするとワイヤーボンディングでは88個実装できるのに対し、フリップチップでは122個実装できます。Au（金）を導体に使った実装で光束を比較すると、ワイヤーボンディングが100 lm、フリップチップは155 lmと性能も向上するそうです。ブースでは同製品の実装に適した大橋製作所の製造装置も展示していました。

その他

熱対策では、パナソニック電工が、放熱に優れた高熱伝導性基板・シート材料。日立化成工業は高熱伝導性基板、粘着シート、コーティング材料などを展示していました。

導光板では、日立化成工業が可視光導光フィルム「MP-2000」を展示。透明で減衰や色味の変化が少なく、モバイル機器のキーパッド用照明などを想定しているそうです。

東洋紡はLED用拡散シートを紹介。表面加工ではなくシート内部の構造により拡散性をコントロール。内部は独自の粒子が分散させてあり、これを制御することで拡散方向もい方向だけに拡散させたり、360度均等に拡散する等方拡散が決定できます。

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• 次世代照明 技術展（ライティング・ジャパン）前編